スラムダンク宮城リョータ
「スラムダンク」の主人公・桜木花道にとっての重要人物は数多いが湘北高校バスケ部2年の宮城リョータの存在はまた、特別ではないかと思う。
なぜなら、湘北バスケ部に、「宮城リョータなしでは桜木花道なし」だからだ。
まず、登場シーンからして桜木とダブる。中学で50人の女の子にフラれ続けてきた桜木、かたや、登場シーンで女の子にフラれている宮城リョータ。
実は、彼は湘北バスケットボール部マネージャーの彩子に気があるのだが…。
一方、桜木は赤木キャプテンの妹、晴子に片思い。
この共通点のみで桜木とリョータの絆は結ばれたのだ。
バスケ部からはみ出していた「ワンマン桜木」をチームの中に溶け込ませたのは宮城リョータだ。
アウトローの桜木を上手くノセて、良い面を引き出して結果を出させていたのは、リョータの腕によるものだろう。
とにかくリョータは桜木をノセまくる。
翔陽戦での「お前のリバウンドはこの試合で一躍県内トップクラスだぜ」と言い、「県内トップクラス…」の言葉で桜木はいい気分になる。また、海南戦では「あれやってみろ」と指示、桜木は何度か「リョータ直伝フェイク」を決める。
陵南戦では、魚住のファールを誘うプレイに「ファインプレイだぜ花道!」と声をかけ、「ファインプレイ」の言葉にこれまた桜木はノリまくるのだ。
そういう意味でも「スラムダンク」の影の功労者は宮城リョータだろう。
桜木に対してだけではなく、インターハイの山王戦では「しっかりしろォ!!流れは自分たちでもってくるもんだろがよ!!」とヘロヘロになっているメンバーたちを叱咤激励している。
なにしろ
宮城リョータは身長168cm。
バスケットボールプレイヤーというと、背の大きい人を想像するものだが、160cm台、170㎝台でも素晴らしいプレイヤーは沢山いる。
日本のBリーグで言えば、栃木の田臥勇太や千葉の富樫勇樹のような選手がリョータと同じポイントガードとして大活躍している。
デカいだけがバスケットボール選手ではないのだ。そして、田臥や富樫はビッグマンより目立っている選手たちだ。
陵南戦での仙道に対し電光石火の速さでシュートを決めた時の「オレならいつでもブロックできると思ったかい?」という台詞にはシビレる。
また、翔陽の藤真、海南の牧ら最強プレイヤーとマッチアップばかりしているリョータがちょっぴり可哀想な気もする。
また、彼は髪型やピアスをしていて、当時のちょっと不良っぽいイケてる高校生だ。
しかし、三井同様、監督の安西先生に対する想いは強く、また、赤木キャプテンを「ダンナ」と呼ぶように年上に愛嬌を持って接しているので案外、協調性のある人間なのかもしれない。
漫画のラストで彼はバスケ部のキャプテンになり、赤木に比べると一見頼りなさそうだが、こなしていける、という気もする。
いずれにしても「スラムダンク」の続きがあるとすれば、湘北バスケ部の大黒柱は宮城リョータなので、しっかり皆を引っ張っていってほしいものだ。